仮想通貨
STEPNは怪しい? ポンジスキームなど詐欺といわれている理由を解説
歩いて稼げるSTEPNは、一時期日本でも多くの人がプレイしていたゲームです。
当初は報酬の高さから注目を浴びていましたが、報酬として受け取れるGSTやGMTの暴落により大損した人が続出したため、流行は去りました。
そして、STEPNは「怪しい、ポンジスキームだ」と考える人もいます。
そこで今回はSTEPNが怪しいと言われる理由や実情、現在の状況について詳しく解説します。
この記事を読めば、STEPNが信用できるゲームなのか、今から参入して稼げる可能性があるのかわかるため、ぜひ参考にしてください。
STEPNとは?
出典:STEPN
STEPNはウォーキングやランニングをして仮想通貨を稼げるゲームです。
それまでのNFTゲームとは異なり、運動を促進して健康状態の改善を図ること、環境の改善を使命に掲げて2021年12月にリリースされました。
STEPNは、アプリをダウンロードしてシューズを購入したら歩いたり走ったりするだけで「GST」というトークン(仮想通貨)がもらえる仕組みです。
また、2つのスニーカーを掛け合わせて、新しいスニーカーボックスやスニーカーを生み出すミントを行うことでより高価なシューズを手に入れて稼ぐ遊び方もできます。
STEPNは2022年3月頃から5月頃にプレイ人口が爆発的に増えたため、暗号資産業界でも話題になりました。
将来的には保有しているシューズを貸し出す機能が実装予定です。
STEPNが怪しいと言われている理由
STEPNは、人気の高いNFTゲームでしたが、怪しいと考える人もいました。その理由は4つあります。
- ポンジスキームに似ている
- 多くのユーザーが多額の損失を出した
- 既存のユーザーがGSTを消費しないと運営は収益を上げにくい
- 歩いただけで稼げることに疑問を持っている人がいる
それぞれの理由について詳しく解説します。
h3ポンジスキームに似ている
STEPNが怪しいと言われている理由は、ポンジスキームに似ていることにあります。
STEPNでは、新規参入するプレイヤーが減少すると運営資金が回らなくなるため、この点がポンジスキームに似ている印象を与えています。
STEPNで歩くことで得られる報酬は、新規参入したプレイヤーがシューズを購入する際に使った費用から捻出されています。
新規参入者が増えている間は順調に報酬を得られますが、新規参入者が減少するとプレイヤーへ支払う報酬を用意できなくなる可能性があります。
また、早い時期に始めた人はたくさん稼いだのに対して、あとから始めた人はすぐに稼げなくなったという点もポンジスキームに似ているといえるでしょう。
多くのユーザーが多額の損失を出した
STEPNは、大手投資企業からの資金調達に成功したことや、スポーツブランドのアシックスとコラボして注目度が上がったことによりユーザー数を急速に伸ばしていました。
また、注目度が高くなったことやSTEPNが稼げるということを耳にしたユーザーが増えて、STEPN内のトークン(仮想通貨)であるGSTやGMTの価格も大幅に上昇しました。
そのため、一時期は10万円以上を出さなければ一足のシューズさえ購入できない事態に陥ります。
さらにステーブルコインのTerraの暴落が仮想通貨市場全体にも波及したことやSTEPNの運営が5月27日に中国でのサービス提供の停止を発表したことなども重なり、GSTやGMTの価格が暴落しました。
以下のチャートはGSTとGNTの2022年3月〜6月のチャートですが、短期間で暴落しています。
【GSTのチャート】
【GMTのチャート】
STEPNにはGSTとGMT2種類の通貨があり、その価値が暴落すれば、稼ぎも大幅に減ります。
多額の費用を出してシューズを購入していた人が多かったため、多くの人が大損しました。
この一連のできごとがSTEPNは怪しいという印象に拍車をかけたでしょう。
既存のユーザーがGSTを消費しないと運営は収益を上げにくい
STEPNの運営会社の収益構造に疑問があり、サービスが怪しいと考えている人もいます。
STEPNの運営会社に収益が入るためには、ユーザーがシューズを購入したり、獲得したGSTをシューズのレベル上げ・修理・合成(ミント)などに使う必要があります。
しかし、シューズにはレベル30の上限があり、新たにシューズを購入しない限りGSTを消費しなくなります。
そうなると、運営は収益を上げにくくなるため、事業の継続が難しくなるでしょう。
シューズを購入したりレベル上げを行うユーザーがいなくなれば収益が入らなくなり、STEPNは怪しいと考えているユーザーもいます。
歩いただけで稼げることに疑問を持っている人がいる
STEPNのサービスがリリースされた当初は、まだ歩いただけで稼げるゲームは多くなく、詐欺ではないかと疑う人もいました。
しかし、今ではSTEPN以外にも歩いて稼げるゲームは多数リリースされ、2024年現在でもサービスを提供し続けているものもあります。
STEPN(ステップン)が怪しくない4つの理由
STEPNを怪しいと考える人は少なからずいます。
しかし、実際には以下の理由によりSTEPNは怪しくないサービスです。
- 大手暗号資産取引所のBINANCEから出資を受けている
- アシックスやアディダスとコラボして限定シューズを販売している
- 厳しいアプリの審査に通過している
- Move to Earnは珍しくない稼ぎ方になりつつある
STEPNが怪しくない理由について順番に見ていきましょう。
大手暗号資産取引所のBINANCEから出資を受けている
STEPNは、大手暗号資産取引所のバイナンスのVC部門であるBinance Labsから出資を受けています。
責任者であるBill Qian氏は、「STEPNがユーザー数の急増でMove to Earnの業界に貢献している点や運動をゲーム化することで暗号資産やブロックチェーン技術への大衆化を加速してくれると関心を持たせ、我々は運動のゲーミフィケーションがより多くの人々をこの業界に引き込み、暗号とブロックチェーン技術の大衆化を加速させることができると信じている。」と語っています。
暗号資産プロジェクトが資金不足で撤退することもありますが、STEPNはそのような心配がありません。
また大手暗号資産取引所がSTEPNに出資しているため、プロジェクトの信頼性は高く詐欺ではないといえます。
アシックスやアディダスとコラボして限定シューズを販売している
STEPNはアシックスやアディダスといった世界的に有名なスポーツファッションブランドとコラボして限定シューズを販売しています。
アディダスとコラボしたシューズはNFTコレクション(デジタルコンテンツ)、アシックスとコラボしたシューズは、実物を購入可能です。
また、ほかにもNFTマーケットプレイス&ローンチパッド「MOOAR」の運営企業であるFind Satoshi Lab、WEB3特化ファンドのEmooteと戦略的パートナーシップを締結しました。
STEPNは、多くの企業と提携しているためプロジェクトの信頼性が高いといえるでしょう。
厳しいアプリの審査に通過している
STEPNは「App Store」と「Google Play」でアプリを提供していますが、両者とも審査は厳しいといわれています。
AppStoreは社員が手動で審査を行っているため、安全やセキュリティ、プライバシーに影響を与えるマルウェアなどのソフトフェアが入っていると審査を通過できません。
Google Playも人間による審査が行われていて、悪意のあるアプリ、ネットワークや個人データなどの悪用および不正使用される恐れのあるアプリが審査に通ることはありません。
STEPNは両方の審査に通過しているため、安全に使用できるアプリといえます。
Move to Earnは珍しくない稼ぎ方になりつつある
STEPNのように歩いたり走ったりして稼ぐMove to Earnのゲームは珍しくありません。
STEPN以外にも以下のようなゲームが提供されています。
- Calo Run
- Genopets
- Sweatcoin
また、Move to Earnに多くの著名人や企業が出資するなど、信頼性の高いプロジェクトも多数あります。
そのため、STEPNは怪しくないサービスといえるでしょう。
STPPNの現在は?
STEPNはリリースされてから3年以上が経過していますが、以前と比べて話題になっていないため、現在の状況について気になる人もいるのではないでしょうか。
ここからは、STEPNの現在の状況について詳しく紹介します。
現在もSTEPNのサービスは継続している
STEPNは2021年12月にリリースされて以降、2024年5月現在もサービスを継続しています。
2024年5月1日時点の月間アクティブユーザー数は14,070人と最も多かった月(2022年5月の70万5,452人)の約2%まで減少したものの、今もプレイしている人はいます。
出典:Dune
今後もシューズのレンタル機能の実装を予定するなど、サービスが充実するかもしれません。
1年以内に終了する暗号資産プロジェクトもある中、3年以上続いているSTEPNは健闘しているといえます。
【2024年5月時点】STEPNの現在価格
STEPNでもらえる報酬はGSTとGMTの価格です。現在のGSTとGMTの価格について解説します。
2024年5月20日時点のGST/USDの価格は、約0.025ドルです。
2022年5月の最高値である10ドルから99%以上も下落しています。
次にGMT/USDのチャートを見ると、2024年5月20日時点のGST/USDの価格は、約0.21ドルです。
GMTは2022年5月の最高値である4.5ドルから95%以上下落しています。
GSTもGMTも暴落して以降は停滞気味です。
ユーザー数が大幅に増えないと、再び価格が上昇することは難しいかもしれません。
まとめ
STEPNは運営会社の収益構造がポンジスキームに似ていたり、過去に多額の損失を被った人が多くいたなどの理由から怪しいと考える人もいます。
しかし、大手暗号資産取引所のBINANCEから出資を受けている点やアシックス・アディダスといった有名企業とコラボしている点から、高い評価を受けています。
何よりリリースから3年以上が経った現在でもサービスを継続しており、STEPNは怪しいサービスとはいえません。
しかし、STEPNの報酬であるGSTやGMTは最高値から95%以上も下落しているため、以前よりは稼ぎにくいです。
健康のための運動のついでに報酬がもらえるという考えで取り組んだほうが良いでしょう。