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トルコリラが0円になったらどうなる?トルコの現状や運用利益を出すポイントも解説

トルコリラが0円になったらどうなる?トルコの現状や運用利益を出すポイントも解説

トルコリラが0円になれば、FX業者が取引を停止することが予想されます。暴落により、トルコリラを保有している投資家は大きな損失を被る恐れがあり注意が必要です。

今回はトルコリラが0円になったらどうなるのか、トルコの現状や運用利益を出すポイントとともに解説します。本記事を読めば、トルコリラに関する情報を的確に把握して効率よく運用できます。トルコリラに関する情報を理解し、効率よく利益を出しましょう。

トルコリラが0円になったらどうなる?

FX取引に関しては、FX業者がトルコリラによる取引を停止することが予想されます。コロナ禍においては国の経済状況の悪化によって、取引を一時的に停止した例もあるためです。

トルコ自体への影響ですが、トルコリラが完全に価値を失った場合は、まずインフレが急激に加速し、物価が急騰する可能性が高いです。

次に、トルコ企業の経営が行き詰まり、大量の失業・破産が起こる可能性が高いです。リラ建ての債務返済は実質的に不可能となり、金融危機に発展する公算が大きいでしょう。トルコ政府の財政は行き詰まり、社会保障制度の崩壊や公務員の給与未払いなど国家機能が麻痺する恐れもあります。

このように、トルコリラが価値を失えば、経済が大きく停滞し国民生活に極めて深刻なダメージを与えかねません。

トルコリラの最新価格・過去10年の推移

トルコリラは近年の政情不安と経済混乱を受け、通貨価値が劇的に下落してきました。2024年5月時点のトルコリラ/円は4.87円と、10年前の水準から10分の1以下に目減りしています。

引用:トルコリラ/円(TRY/JPY) |楽天証券 

直近10年間を振り返ると、一方的なリラ安傾向でした。2018年の通貨危機後、失速が止まりません。エルドアン政権への不信感から、投資家の資金が海外に流出する悪循環に陥っています。

ウクライナ侵攻をきっかけにエネルギー価格が高騰し、インフレ率は今年に入り年率70%を超える事態となっています。リラ安は一層加速し国民の購買力はひっ迫し続け、生活苦は深刻化する一方です。中央銀行による利上げ姿勢は景気減速を招き、失業率も上昇基調にあります。

トルコリラに関する最新ニュース

トルコリラに関する最新ニュースとして、以下の3つを紹介します。

  • 主要政策金利は4月25日時点で50%の据え置きが決定
  • 消費者物価指数(CPI)は4月時点で22年以来の高水準
  • 製造業購買担当者景気指数は4月時点で前月より低下傾向

上記のニュースを参考に、トルコリラの取引判断をおこないましょう。

主要政策金利は4月25日時点で50%の据え置きが決定

大和アセットマネジメントの調査によれば、トルコ中央銀行は4月25日の金融政策委員会で、主要政策金利の現行50%据え置きを決定しました。50%の金利水準を維持した決断は、今までの利上げによって金融環境が著しく引き締まったと判断したためです。

政策金利利上げによって内需減速・トルコリラ価値の上昇が期待でき、インフレ率の鈍化を予想しています。一方で、インフレが高止まりする懸念もあるのが現状です。トルコ政府はインフレ率の大幅な増加・持続的な悪化が見られた場合は、金融政策を引き締める方向に動くとの見解を示しています。

消費者物価指数(CPI)は4月時点で22年以来の高水準

ロイター通信によれば、トルコの4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比69.8%増と2022年終盤以来の高水準となりました。内訳を見ると、以下のとおりです。

  • 教育費:103.86%
  • 外食・宿泊費:95.2%
  • 食品・非アルコール飲料:68.50%

いずれも2桁台の高い上昇です。前月比で見ても3.18%上昇と、消費者物価指数の上昇は加速傾向にあります。

製造業購買担当者景気指数は4月時点で前月より低下傾向

ロイター通信によれば、トルコの4月製造業購買担当者景気指数は前月比で低下し、49.3と3月の50を下回りました。新規受注・生産が伸び悩む一方、原材料価格は上昇を続けており、景気の減速が確実視される結果となりました。

供給面での制約が景気の重荷となっている様子がうかがえます。ロシアのウクライナ侵攻を受けたエネルギーや穀物価格の高騰、グローバルサプライチェーンの混乱などが影を落としています。需要回復・生産の持続的拡大が望まれますが、急速な価格上昇に対する対応を迫られており、国内外での事業獲得に難航しているのが現状です。

トルコリラは10年後どうなる?今後の見通しを解説

トルコリラの10年後の行方を予想することは簡単ではありません。経済政策次第で、リラ相場は大きく異なる道を辿る可能性があります。

トルコリラの下落には、現政権への不信感が大きく関与しています。現エルドアン大統領の任期は2028年まであるため、早期にトルコ経済が上向く兆しが見えにくいのが現状です。

一方で、マクロ経済の立て直しを目指した政策転換があればリラは下げ止まり、安定化に向かう可能性があります。金融引き締めと財政規律の回復により、インフレ率の鎭静化とリラ安への歯止めがかかれば通貨価値の下支えとなります。

ただし、過去10年の通貨安を反転させるには長い年月を要するかもしれません。上記のように、リラ相場の10年後は経済政策の行方次第で大きく二極化する可能性があります。

トルコリラはAI技術で予測が難しい

トルコリラの将来相場を正確に予測することは、AIにとっても容易ではありません。まず、トルコ経済を取り巻く環境が極めて不確実であり、予測モデルに取り込めない要因が多くあります。政情不安定から生じる政策の転換リスク、エルドアン大統領の個人的な影響力、地政学的リスクなど定量化が困難な要素が相場に大きく影響します。

さらに、トルコリラは新興国通貨のなかでも特にボラティリティが高く、短期的な変動が大きいのが実態です。変動要因を的確に捉えることは、AIにとっても難しい課題です。上記の理由から、トルコリラ相場の予測は高度なAI技術を持ってしても容易ではありません。

トルコリラはどこまで下がる?価格の下落が続く理由

トルコリラの下落が続く理由として、以下の5つが挙げられます。

  • 上がり続けるインフレ率
  • 政策金利の急激な変動
  • 政府に対する不信感
  • 近隣諸国の情勢悪化
  • 膨らみ続ける貿易赤字

上記の要因を注視し、トルコリラ取引の参考にしましょう。

上がり続けるインフレ率

トルコリラの下落を加速させる最大の要因は、高止まりするインフレ率です。ロイター通信によれば2024年4月時点で70%と高水準となっており、物価高騰が国民生活を直撃しています。

主因は輸入品の価格上昇です。トルコはエネルギーの大半を輸入に頼っている国です。石油などのエネルギー資源は年々高騰しており、トルコ国内のインフレ率もあわせて上昇しています。

トルコ国内の最低賃金は、インフレ率の上昇に伴って引き上げられています。しかし、物価の高さに賃金上昇が追いついていないのが現状です。

政策金利の急激な変動

トルコ中央銀行の政策金利運営も、リラ安に拍車をかける要因のひとつです。2019年時点でのトルコにおける政策金利は約24%でした。海外投資家からの外貨獲得を目指すために金利を上昇させましたが、国内のインフレが大きくすすむ結果となっています。

急なインフレとなったトルコでは、物価上昇を抑えるために政策金利を段階的に引き下げました。しかし、結果として海外投資家が市場から離れてしまったため、トルコリラの価値が余計に下がってしまいます。

現在は政策金利を高水準に戻していますが、トルコリラの継続的な下落から買い注文を出す投資家が増えていないのが現状です。

政府に対する不信感

エルドアン政権に対する国内外の不信感の高まりも、リラ安を助長する重要な要因です。特に今までの金融政策は、外国投資家の離れを招く大きな原因となっています。投機的な資金の流出は避けられず、リラ売り圧力となって通貨安を促進しています。

政権を支える保守層の間でも、物価高騰による生活苦から支持の離反が見られるようになってきました。多数の有権者離れは政策の継続性を脅かしかねず、リラ安要因になりかねません。

国内外から政権への不信が高まり、経済の先行き不透明感がリラに対する信認を揺るがしています。透明性の高い政策運営への転換が望まれますが、容易ではない情勢が続いているのが実情です。

近隣諸国の情勢悪化

トルコリラの下落プレッシャーを高める要因として、近隣地域における政情リスクの高まりがあげられます。シリアやイラクでのクルド人勢力の活発化、イラン核開発問題の行方など地政学的リスクが高まっています。

特にシリア国内の親トルコ派勢力とクルド人勢力との衝突は避けられず、トルコの介入リスクが高まっています。シリア政府軍など他勢力との軍事衝突にも発展しかねない状況です。

トルコにおいては、国内に大勢を占めるクルド人の影響力から問題への関心は極めて高いです。リラ相場への裏付けとなる経済への打撃が懸念されています。

加えてNATO加盟国であるトルコとロシアとの関係次第でも、地政学リスクが高まる可能性があります。上記の情勢が国内外の投資家のリスク回避姿勢を招き、リラ売りの圧力となっているのが現状です。

膨らみ続ける貿易赤字

トルコ経済の根本的な問題点として、恒常的な巨額の貿易赤字も見過ごせません。エネルギー資源を輸入に依存する一方、輸出が伸び悩いでいることが主因です。

貿易赤字の膨張は、外貨流出の要因となってリラ売り圧力を高めます。輸入代金決済に伴う大量の資金流出が続く一方、輸出での外貨獲得が追いつかないためです。

リラに対する信認が揺らぐなかで、経常収支の基礎的な赤字構造が改善されないと通貨安に歯止めがかからなくなります。貿易収支の改善に向けた構造改革が急務です。

トルコリラで儲けた人の特徴は「短期での売り戦略を実行した」

トルコリラで儲けた投資家の特徴は、「短期での売り戻し」を実行したことです。トルコリラ/円は2022年〜2023年で12円台〜5円台に急落するなど、異例の下落を経験しました。

長期的な通貨安視点からリラ売りを構えた投資家は含み益を膨らませました。そのなかからさらに利益を最大化できたのが、タイミングを見計らった売り戦略を実行した投資家です。

具体的には、エルドアン政権による金融政策の転換への期待や一時的なリスク緩和期待などを狙い、リラ高・円安の短期反発局面で売りをおこなった投資家です。政権批判的な発言や中銀の金融引き締めなどを契機に売り仕掛けを決行し、再びリラ安が加速する前に手放すパターンが目立ちました。

トルコリラで儲からなかった人の特徴は「スワップ目的の買い戦略を実行した」

トルコリラで儲からなかった人の特徴は、スワップポイントを稼ごうとしたリラ買い戦略を実行した投資家です。トルコリラ/円は2022年〜2023年で12円台〜5円台に急落するなど、異例の下落を経験しました。大幅安局面でスワップポイント収入を狙ってリラ買いを構えた投資家は、大きな損失を被ることとなりました。

リラの買い手はトルコリラの高金利を収受するため、金利とスワップポイントの合計が通貨安よりも大きければ結果的に利益を得られます。しかし、リラの下げ幅が思惑をはるかに上回った結果、スワップ益を超える通貨安損失を被った形です。

トルコリラを保有するメリット・デメリット

トルコリラを保有する際のメリット・デメリットは以下のようにまとめられます。

【メリット】

メリット概要
トルコリラの価値が上がる可能性もある2024年5月時点でトルコリラ/円は4.87円だが、政策次第では国内経済が回復する可能性もあり、トルコリラの価値上昇も考えられる。
スワップ益が得られる現状多くのFX業者でトルコリラ/円の買い注文に300円〜400円のスワップポイントがついてくる。
通貨当たりの価格が安いトルコリラは大きく値下がっているため、通貨当たりの価格が安く少額取引ができる。

【デメリット】

デメリット概要
さらなる価格下落の恐れがある周辺諸国の社会情勢も悪く、トルコリラがさらに下がる可能性もある。
デフォルトの可能性もある万が一デフォルトになった場合、トルコリラの暴落が起きる。

トルコリラ保有には利回り期待と割安感からくるメリットがありますが、リスクも大きいです。経済への影響次第では、さらなるリラ安に見舞われる可能性も否めません。リスク許容度に見合った保有比率の検討が必要です。

トルコリラの運用で利益を出すポイント

トルコリラの運用で利益を出すには、以下の3点に留意する必要があります。

短期売り戻しのタイミングを逃さない

リラは長期的な下落トレンドが継続しているものの、一時的な反発局面も散見されます。反発時の売り戻しのタイミングを的確に捉えることが肝心です。

金利とスワップポイントの魅力には惹かれすぎない

トルコリラの高金利とスワップポイントの収入は魅力的ですが、リラの下落リスクを軽視してはなりません。金利とスワップ益を上回る通貨安が生じれば、大きな損失に見舞われかねないため、適切なリスク管理を心がけましょう。

中長期の保有も意識する

リラは長期的な下落トレンドにあるため、中長期的には売り方向でポジションを持つ必要があります。しかし、長期間ポジションを持ち続けることは資金的に負担が大きくなるため。比較的短期の反発局面をうまく売りサイクルとして活用し、含み益を確保しつつポジションの入れ替えをおこなうことが賢明です。

トルコリラでの運用損失を避けるポイント

トルコリラでの運用損失を避けるポイントとして、以下の2点が挙げられます。

  • 為替差益を狙う
  • 低レバレッジかつ取引量を抑えて運用

トルコリラを運用する際は、上記ポイントを押さえましょう。

為替差益を狙う

トルコリラの運用で損失を避けるには、為替差益を狙うことがポイントとなります。リラは長期的な下落トレンドが継続しており、対円やドルでのリラ売り姿勢が肝心です。

具体的には短期的な反発局面をリラ買い場と捉え、高止まりしたタイミングで売り、為替差益を狙います。また、トルコの政情不安やインフレ高進、地政学的リスクの高まりなどリラ安要因が出てきた際も積極的なリラ売りが賢明です。

長期的な通貨安視点を堅持しつつ、短期の値頃感をうまく捉えて為替差益を重ねていくことがリラ運用で損失を回避するポイントです。金利収入目当てなどの投機的なポジションは避け、為替差益に徹することで安定した運用ができます。

低レバレッジかつ取引量を抑えて運用

トルコリラは、低レバレッジかつ取引量を抑えて運用しましょう。トルコリラは新興国通貨のなかでも特にボラティリティが高い通貨です。方向感がつかめない時期もあり、運用での損失リスクも大きくなります。

リスクを低減させるためには、低レバレッジで取引量を抑える対応が賢明です。運用レバレッジは最大でも3〜10倍程度に抑えるべきでしょう。トルコリラは短期的に20%を超える値動きも珍しくありません。10倍以上のレバレッジを効かせると、軽い指値の外れで損切りとなり、損失が膨らむリスクがあります。

また取引量も抑え気味に設定し、一時の大きな値動きで運用資金を失うリスクを最小限に抑える必要があります。さらには値動きの激しい局面では一時的に保有資産を現金化し、相場が落ち着くのを見極める判断力も求められます。金利収入も魅力ですが、過度な期待は禁物です。

トルコリラの取引が可能な国内のFX業者3選

トルコリラの取引が可能な国内のFX業者として、以下の3つを紹介します。

GMOクリック証券

引用:GMOクリック証券

GMOクリック証券はトルコリラの取引が可能な大手ネット証券です。利便性に優れている点が特徴で、パソコンはもちろんスマホ・Apple Watchなど幅広いデバイスで相場の確認・発注ができます。

少額取引も可能で、最低必要証拠金が3,200円〜と低水準で設定されています。はじめてFX取引をおこなう方でも、気軽に取り組める点が魅力です。取引手数料・口座維持手数料など余計なコストもかからず、より多くの利益を残しやすいメリットもあります。

みんなのFX

引用:みんなのFX 

外為ファイナンスが運営する「みんなのFX」は、業界最安水準のスプレッドが魅力のFX業者です。主要通貨では、具体的なスプレッドは以下のとおりです。

  • 米ドル/円:0.2銭
  • ポンド/円:0.9銭
  • ユーロ/円:0.4銭

スプレッドが非常に狭いため、余計なコストがかからず利益を出しやすい点がメリットとなります。スワップの水準も高く、トルコリラ/円では10Lot(100,000通貨)当たり411円です。毎月高いスワップを利益として受け取れる点が大きな魅力です。

インヴァスト証券

引用:インヴァスト証券

インヴァスト証券は、自動売買が可能なFX業者です。希望する通貨ペアの自動売買プログラムを選ぶだけで運用ができるため、手間がかからないメリットがあります。

自動売買プログラムの勝率も高く、インヴァスト証券の調査ではFX初心者でも勝率は91.5%にのぼるとの結果です。FXの専門的な知識・スキルが無くても利益を出せる可能性が高い魅力があります。

まとめ

トルコリラの先行きを予想することは容易ではありません。エルドアン政権の異例の金融政策に加え、政情不安や地政学的リスクなど予測が困難な要因が多いためです。

現在の70%近い高インフレや膨らみ続ける貿易赤字などが通貨安を招いています。反面、世界的な金融緩和の恩恵を受ける可能性もあり、上値と下値のレンジは極めて広がっています。

ボラティリティの高い市場では、為替差益に徹するのが無難です。短期の反発局面は機動的に売り戻すべきで、レバレッジは高くとらず取引量も控えめに抑える必要があります。

一方で高金利が得られる可能性もあり、リスク許容度次第では運用の価値はあるかもしれません。ただし中長期の通貨安視点は堅持し、過度な期待は禁物です。政情の行方を常に注視し、柔軟な対応を心がけましょう。