ロボアドバイザーを比較|選ぶ際の比較ポイントを解説

ロボアドバイザーを比較|選ぶ際の比較ポイントを解説

ロボアドバイザーは、AIを活用して自動的に資産運用を行うサービスです。
近年、投資初心者を中心に注目を集めていますが、サービスの種類や特徴は多岐にわたります。

本記事では、主要なロボアドバイザーを比較し、それぞれの特徴や選び方のポイントを詳しく解説します。
自分に合ったロボアドバイザーを見つけて、効率的な資産運用を始めましょう。

ロボアドバイザーを比較するために知っておきたいこと

ロボアドバイザーは、AIを活用して資産運用を自動化するサービスです。
仕組みや特徴は、ロボアドバイザーによって違います。
そのためサービス同士を比較するためにはまず、ロボアドバイザーの基本的な仕組みと、従来の投資信託との違いを理解することが重要です。

ここではサービスを選択する前に必要な、ロボアドバイザーの基本的な仕組みや特徴、投資信託との違いに関する知識をつけていきましょう。

ロボアドバイザーの仕組みと特徴

ロボアドバイザーは、AIが24時間365日市場を監視し、最適な投資判断を行うことで資産運用を自動化しています。
投資家が入金したあとは、プロによって練られたアルゴリズムに沿ってAIが自動的に投資先の選定から売買までしてくれる仕組みです。
そのため投資家である人間が、常に市場動向を気にする必要はありません。
ロボアドバイザーの細かな仕組みや特徴には、主に以下の点が挙げられます。

特徴仕組み
AIによる投資判断過去のデータや市場動向を分析し、最適な投資先を選定する
自動リバランス定期的に資産配分を見直し、最適な状態を維持する
分散投資複数の資産クラスに投資することで、リスクを分散する
低コスト人手を介さないため、従来の投資信託に比べて手数料が低く抑えられる
少額からの投資多くのサービスで、数万円程度から始められる

これらの特徴によりロボアドバイザーは、特に投資初心者や、時間をかけて自己管理することが難しい人々に適しているサービスになっています。

ロボアドバイザーと投資信託の違い

ロボアドバイザーと投資信託では、お金を預けた後に運用を任せられる点は一緒です。
しかし主に以下5つの点において違いがあります。

比較項目ロボアドバイザー投資信託
投資対象の選択・運用方法AIが個人の投資目標やリスク許容度に基づいて自動的に投資対象を選択から運用まで行う。投資対象は各商品ごとに決まっていて自身で選択できる。
入金後はファンドマネージャーが運用方針に基づいて手動で運用する。
カスタマイズ性個人の状況に応じてポートフォリオをカスタマイズできる。一般的には、同じファンドを購入する全ての投資家に対して同じ運用が行われる。
手数料多くの場合、投資信託よりも低コストで運用できる。ファンドによって異なるが、一般的にはロボアドバイザーよりも高めの手数料がかかる。
運用の透明性AIの判断基準や運用状況をリアルタイムで確認できるケースが多い。運用報告書などで定期的に情報が開示されるが、日々の判断基準は不透明な場合がある。
最低投資金額多くのサービスでは1万円程度から始められる。数万円から数十万円の最低投資金額が設定されていることが多い。

これらの違いを理解した上で、自身の投資目的やスタイルに合わせて、ロボアドバイザーと投資信託を使い分けることが重要です。

ロボアドバイザーの比較ポイント5選|初心者が選ぶ際の注目点

ロボアドバイザーを選ぶ際には、重要な比較ポイントがいくつかあります。
特に初心者の方は、以下の5つの点に注目して比較することがおすすめです。

①最低投資金額・積立金額
②運用手数料・信託報酬などコストの違い
③運用実績・リスク許容度の段階数
④NISA対応や税金最適化機能の有無
⑤サポート体制やスマホアプリの使い勝手

これらのポイントを押さえて、自分に最適なロボアドバイザーを見つけていきましょう。

比較ポイント①最低投資金額・積立金額

ロボアドバイザーを選ぶ際、まず注目すべきは「最低投資金額」と「積立金額」です。
これらの金額は、サービスによって大きく異なります。

最低投資金額とは、ロボアドバイザーを利用し始める際に必要な初期投資額のことです。
一般的に1万円から10万円程度のサービスが多いですが、中には100円から始められるものもあります。

積立金額は毎月の定期的な投資額の最低限度のことです。
多くのサービスで1万円程度に設定されていますが、サービスによっては100円から積立ができることもあります。

これらの金額設定は、投資を始めるハードルを大きく左右します。
特に初心者の方は、自分の資金力に合わせて、無理のない金額のサービスを選ぶことが重要です。
最低投資金額が低ければ気軽に始められ、積立金額が低ければ長期的に継続しやすいというメリットがあります。

比較ポイント②運用手数料・信託報酬などコストの違い

ロボアドバイザーを利用する際のコストは主に「運用手数料」と「信託報酬」の2種類に分けられます。
これらのコストは長期的な運用成績に大きな影響を与えるため、慎重に比較することが大切です。

運用手数料はロボアドバイザーサービスを利用するために必要になります。
一般的に、預かり資産に対して年率で設定されており、多くのサービスで0.5%から1.1%程度です。
信託報酬の費用は、投資対象となるETFや投資信託にかかります。
これは運用手数料とは別に発生し、一般的に0.1%~0.3%程度です。
ただし、サービスによっては運用手数料に信託報酬を含んでいる場合もあるため注意しましょう。
人によってはコストは若干高めでも、優れた運用実績を持つサービスを選ぶという選択肢が合う可能性もあります。
そのためコストだけでなく、サービスの質や運用実績なども合わせて考慮することが必要です。

比較ポイント③運用実績・リスク許容度の段階数

ロボアドバイザーを選ぶ際、「運用実績」と「リスク許容度」の段階数も重要な判断基準となります。
運用実績は、そのロボアドバイザーがどれだけ効果的に資産を運用できているかを示す指標です。
多くのサービスが公式サイトで過去の運用実績を公開しています。
ただし、過去の実績が将来の運用成果を保証するものではありません。
市場環境の変化や予期せぬ経済イベントにより、実績は大きく変動する可能性があるからです。
そのため高い実績を重視するだけでなく、長期的な傾向や、市場の下落時の対応にも注目することが重要です。

リスク許容度の段階数は、投資家それぞれのリスクヘッジに対応する柔軟性を示しています。
段階数が多いほど、リスク許容度に合わせた運用をより細かくできることを示します。

初心者の方は、まずは保守的なリスク設定から始め、徐々にリスクを調整していく方法がおすすめです。
また、自分の投資目標やライフステージの変化に応じて、適宜リスク設定を見直していきましょう。

比較ポイント④NISA対応や税金最適化機能の有無

NISA(少額投資非課税制度)への対応や税金最適化機能を活用することで、投資の効率を高め、より多くの利益を得られる可能性があります。
そのためこれらの機能の有無を確認することは非常に重要です。

NISA口座を利用することで、通常なら20%の税金がかかる配当金や売却益が非課税となります。
2024年開始の新NISAでは、より柔軟な投資が可能になりました。

税金最適化機能は、投資によって生じた損益を相殺することで税負担を軽減します。
ただし、売却した資産は同じタイミングで買い戻すので、資産配分を変更することなく税負担を軽減できる可能性があります。

これらの機能を活用することで、より長期的かつ効率的で安定した資産運用が可能になります。
特に長い目で資産形成目標を立てている方や、税金対策に関心がある方は、これらの機能の有無を重要な選択基準としてください。

比較ポイント⑤サポート体制やスマホアプリの使い勝手

サポート体制とスマホアプリの使い勝手は、日々の運用管理や緊急時の対応に大きく影響するため、特に初心者の方は重視すべきポイントです。

サポート体制については、主に以下の点をチェックしましょう。

・ カスタマーサポートの対応時間
・問い合わせ方法(電話、メール、チャットなど)
・FAQ や投資に関する教育コンテンツの充実度

スマホアプリは日々の資産状況の確認や、必要に応じた設定変更を簡単に行えるデザインを選ぶことが重要です。
主なチェックポイントには以下があります。

・ アプリのデザインと操作性
・資産状況の視覚化(グラフや図表など)
・プッシュ通知機能の有無と設定のしやすさ

充実したサポート体制と使いやすいスマホアプリは、投資初心者の不安を軽減し、継続的な資産運用をする上で大きな助けとなります。
特に、投資に不慣れな方や、忙しい日々の中で効率的に資産管理をしたい方にとっては、これらの要素は非常に重要です。

サービスを選ぶ際は、アプリのダウンロード、カスタマーサポートへの問い合わせによって、使い勝手やサポートの質を直接確認することをおすすめします。
実際に利用することをイメージして自分に合ったサービスを選択しましょう。

ロボアドバイザーの比較|おすすめ7選

ここからは、人気のあるロボアドバイザーサービス7選を詳しく比較します。
各サービスの特徴や強み、弱みを理解することで、自分に最適なサービスを見つけてみてください。

WealthNavi(ウェルスナビ)

WealthNavi(ウェルスナビ)は、日本のロボアドバイザーサービスの先駆けとして知られ、現在も業界をリードする存在です。
2016年のサービス開始以来、運用資産額・ユーザー数ともに急速に成長を続けており、2024年3月末時点で預かり資産1兆2,000億円、運用者数39万人を突破しています。

ウェルスナビの主な特徴は以下の通りです。

特徴詳細
グローバル分散投資世界中の約50カ国、12,000銘柄以上に分散投資できる
自動リバランス市場の変動に応じて、最適な資産配分を維持できる
税金最適化機能(DeTAX)含み損のある銘柄を売却し、税金負担を軽減できる
新NISA対応2024年から始まった新NISAにも対応している
低コスト年率1.1%(税込)の手数料で、ETFの保有コストも含まれる

ウェルスナビでは、NISA口座に入金するだけで非課税枠を活用し、自動で資産購入が可能です。NISA口座だけでなく資産全体のバランス調整も自動で行うことができます。

またグローバル分散投資によって、日本に限定せず世界に投資することで、経済成長の恩恵を受け、円安による物価上昇リスクにも対応できるサービスです。

THEO+ docomo

THEO+ docomoは株式会社お金のデザインが提供するロボアドバイザーで、NTTドコモとの提携により生まれたサービスです。
THEO+ docomoの主な特徴には以下があります。

特徴詳細
231通りの運用プランユーザーの状況に応じて、非常に細かく運用プランを調整する
AIアシスト機能市場動向を分析し、下落リスクを軽減する独自のAI機能を搭載している
dポイント連携運用残高に応じてdポイントが貯まり、ドコモユーザーならポイントが1.5倍になる
税金最適化機能含み損のある銘柄を売却して税金負担を軽減する
低コスト年率1.1%(税込)の手数料でETFの保有コストも含まれる

THEO+ docomoでは、運用資産額に応じて毎月dポイントがもらえ、ドコモ回線契約者はポイントが1.5倍になります。
さらにdカード積立を利用することで、ポイントがさらに増える点もメリットです。

また運用は専門家が監修したアルゴリズムに乗っ取っており、AIを活用して市場の下落リスクも予測できる仕組みになっています。

FOLIO ROBOPRO

FOLIO ROBOPROは、株式会社FOLIOが提供するAI投資サービスです。
FOLIO ROBOPROには以下のような特徴があります。

特徴詳細
AI相場予測独自開発のAIが相場を予測して最適な資産配分を決定する
アクティブな運用相場予測に基づいて月に1度ポートフォリオを見直す
8つの資産クラスに分散投資株式、債券、コモディティ、不動産など幅広い資産に投資できる
下落相場に強い相場下落時にも柔軟に対応して損失を抑える傾向がある
シンプルな手数料体系年率1.1%(税込)の手数料のみでETFの保有コストも含まれる

ROBOPROは、2020年のサービス開始以来高いパフォーマンスを実現しています。
2024年のパフォーマンスは4月で前月+2.4%、5月で前月+2.62%でした。
また4月には米国10年債利回りが3月から4月にかけて+0.4795pt伸びています。

またAIによって、米国金融商品取引所に上場する「米国株式」「先進国株式」「新興国株式」「米国債券 」「ハイイールド債券」「新興国債券」「不動産」「金」の中から最大8種類の投資先を自動で運用してくれます。
これらに分散投資し、リスクを分散することが可能です。
AIは40以上の先行指標を用いているため、機動的に資産配分を変更し、パフォーマンスを最大化し、投資家の期待に答えるサービスになっています。

楽ラップ

楽ラップは、楽天証券が提供する2016年7月に開始した投資一任型のロボアドバイザーサービスです。
2016年7月にサービスを開始しており、独自の下落リスク軽減機能などが特徴となっています。

特徴は主に以下の通りです。

特徴詳細
下落ショック軽減機能(DRC機能)株価変動時に債券比率を上げてリスク軽減する機能で、相場下落時にリスクを抑制する
柔軟な手数料体系固定報酬型と成果報酬型から選択できる
9つの運用コースがありリスク許容度に合わせて選択可能
国内外の株式・債券・REITへの分散投資により幅広い資産に投資できる

楽ラップの下落リスク軽減機能(DRC機能)は、株式市場の値動きが大きくなると株式比率を一時的に下げ、債券比率を上げることで資産全体の値動きのブレを軽減します。
市場が安定すると、徐々に通常の配分に戻すシステムです。

また、自動リバランス機能で資産配分のズレを修正し、リスクの上昇を防ぎます。
資産配分は世界的に実績のある運用会社のアドバイスに基づいて年に一度見直され、中期的な見通しも3ヵ月に一度調整が可能です。
楽ラップは、為替変動リスクのコントロールや低コストファンドの厳選も行い、長期的に安定したリターンを期待できるサービスです。

ダイワファンドラップオンライン

ダイワファンドラップオンラインは、大手証券会社の大和証券が提供する投資一任型のロボアドバイザーサービスです。
ダイワファンドラップオンラインの主な特徴は以下の通りです。

特徴詳細
7つの運用コース保守的なものから積極的なものまで、幅広いリスク許容度に対応
独自の投資ファンドを活用大和証券グループの運用ノウハウを活かした独自ファンドで運用
グローバルな分散投資国内外の株式、債券、REITなどに幅広く投資できる
定期的なリバランス市場環境に応じて、適宜資産配分を見直ししてくれる
大手証券会社ならではの信頼性長年の実績を持つ大和証券が運営している

大和証券は、日本の投資一任サービスのパイオニアとして、長年の安定した運用実績を誇ります。
ダイワファンドラップオンラインは、この大和証券が提供する信頼性の高い投資サービスです。

また、より安定→安定→ やや安定→バランス→やや積極→積極→より積極といった7つの運用コースを提供し、幅広い投資ニーズに柔軟に対応してくれます。
独自の投資ファンドを活用し、グローバルな分散投資で安定的なリターンを目指すことが可能です。

そして生涯にわたりお客さまとアドバイザーが伴走していく「ゴールベース資産管理手法」という運用方針になっています。
最先端のテクノロジーを駆使して、資産運用の提案からメンテナンスまで自動化し、投資家のライフプランの実現をサポートします。

SBIラップ

SBIラップは、大手オンライン証券であるSBI証券が提供する投資一任型のロボアドバイザーサービスです。
SBIラップには主に以下のような特徴があります。

特徴詳細
2つの運用コース「AI投資コース」FOLIOと共同開発したAIが相場を予測して最適な資産配分を決定する
「 匠の運用コース」野村アセットマネジメントの運用戦略を活用したアクティブ運用する
低コストの手数料AI投資コースは年率0.66%、匠の運用コースは年率0.77%(いずれも税込)の手数料
少額から投資・換金が可能最低投資・換金金額は1万円から可能

SBIラップは、最先端のAI技術を駆使した高度な資産配分自動判別システムを提供しています。
AIが40種以上のマーケットデータを分析し、機械学習アルゴリズムにより景気動向や相場変動をきめ細かく評価してくれるシステムです。

また毎月ダイナミックに投資配分を変更し、急変時には臨時対応も行います。
さらに、低コストな投資信託を活用し、業界最低水準の手数料を実現しています。
AI技術と伝統的金融工学の融合で、効率的かつ安価な運用を追求しているサービスです。

ON COMPASS

ON COMPASSは、マネックス証券のグループ会社であるマネックス・アセットマネジメントが提供する投資一任型のロボアドバイザーサービスです。
ON COMPASSの主な特徴は以下の通りです。

特徴詳細
目標ベースの運用具体的な資産形成の目標に基づいて自分だけの運用プランを提案
8段階のリスク許容度「安全」「バランス」「収益性」の観点から細かくリスク設定ができます
独自の投資信託を活用マネックス・アセットマネジメントが運用する専用ファンドで運用
低コストで運用年率0.9775%(税込)の手数料でETFの保有コストも含まれる
少額から投資可能最低投資金額は1,000円から可能

ON COMPASSは、専門家への相談とAIアドバイスを融合させたハイブリッド型サービスが特長です。
マネックス証券と契約するIFAアドバイザーが対面でサポートしてくれます。

また株式、債券、金、REITなど幅広い運用対象を組み合わせたポートフォリオで高いパフォーマンスを追求することが可能です。
独自の診断ロジックを用いて、投資家一人ひとりに最適化された提案もしてくれます。
リスク許容度に基づいた最適な運用コースを提供し、国内外の資産に自動で分散投資を行えるのがON COMPASSです。

まとめ|ロボアドバイザー選びは慎重に比較検討して

ロボアドバイザーは、AIを活用した自動運用で投資初心者でも手軽に資産運用を始められるサービスです。
しかし各サービスごとで異なるメリットや特徴があるため、慎重な比較検討が必要になります。
そのため選択の際は、運用実績や手数料だけでなく、自分の投資目的やリスク許容度、投資可能金額を考慮しましょう。
新NISAへの対応や税金最適化機能の有無も重要です。
どのサービスを選ぶとしても、短期的な値動きに一喜一憂しない長期的な視点は、投資を行う上で欠かせません。
また、並行して投資の知識を深め、経済状況や人生設計の変化に応じてサービスを見直すこともおすすめします。
ロボアドバイザーを比較して、効果的な資産形成に取り組みましょう。