テザーは、USドルにペッグされたステーブルコインであり、仮想通貨市場のステーブルコインのシェア率では驚異的なシェア率を誇っている。もっとも、これは発行された時期が早かった為と考察され、現在ではサークル社のUSDCやジェミニのジェミニ・ドルなどの方が市場や企業としての信頼は厚いと言えるほど、テザーを取り巻く状況は混沌としている。

 

そして、今回テザー社の関係者のうちCEOがビットフィネックスと同一であることに加えて、相場操縦の疑惑が解決していないことから司法省が捜査に動いたと報じられた。

 

・司法省とテザーの疑惑

実際のところ、仮想通貨市場の相場の操縦はそこまで難しいものではない。基軸通貨であるビットコインの価値が向上すれば、全体的に仮想通貨の価値は上がり、一度上昇傾向に入った場合、マイナスの要因がなければ上がりつづけることも珍しくないためだ。

 

つまり、意図的な市場操作は巨額の資金があれば、困難ではないと言える。その為、今回の司法省による調査も事実の洗い出しを行うためのものだと見て問題ないだろう。

 

もっともテザーの利用者によるニーズの偏りや市場の変動なども加味したうえで、テザー社は顧客の資金を担保したうえでテザーを発行していることを第3者の会計事務所などに依頼し、証明も行っている。その為、徹底的な調査によって違法性を洗い出すなどの理由がなければ、経営者が逮捕されるといった事態にはつながりにくいという状況だ。

 

もちろん、司法省としても顧客のニーズによって、仮想通貨の取引量や価値が変動することは把握しており、人々のニーズなのか、故意に作り出された相場なのかが大きな争点となる。加えて言えば、仮に故意に作り出された相場だったとした場合、仮想通貨市場は更に大きく価値を低下させるだろう。

 

テザー社としてもこの状況を好ましいとは思っていないはずだ。仮想通貨市場が相対的に停滞・下落することで自社の利益は目減りし、最悪の場合は会社ごと消滅することになる。今後のテザー社の対応には要注目だ。