EUの経済金融問題委員会が今週報告した「Virtual currencies and central banks monetary policy:challenges ahead(仮想通貨と中央銀行の金融政策:今後の課題)」は、昨今みられる経済科学者たちの仮想通貨批判が間違っているとしている。

 

 

仮想通貨の今後の課題

報告内容は仮想通貨の技術や、法律について言及されている。その中で委員会は仮想通貨に対し好意的なスタンスで今後の課題を述べている。

 

「仮想通貨が法定通貨や中央銀行の支配的な地位を脅かすことはなさそうで、特に主要通貨の地域ではその可能性は低い。その他のイノベーションと同じく仮想通貨は、その匿名性とボーダレスな特性により、金融規制当局に課題をもたらす」

 

これは、極めて一般的な仮想通貨への意見だ。それは、仮想通貨が持つ非中央集権性と、国や国境をと問わず使えるという特性である。これが、現在の中央集権的な銀行に「課題をもたらす」という。さらに「仮想通貨は現実の市場のニーズに応え、今後もしばらくの間は存続する可能性が極めて高い」と述べた。

 

 

ロバート・シラー教授への批判

報告書の中にはロバート・シラー教授を直接批判している箇所もある。ノーベル経済学賞を受賞したシラー教授は「仮想通貨反対論者」として有名で、昨年からメディアで発言し、話題となってきた。6月末にもブルームバーグのインタビューに答え「一時的な熱病」とバブル的な側面を批判した。さらに同氏は16世紀に起きたチューリップバブルと比較し「チューリップには今も価値があり、その中には値がつくものもある」と、将来的に価格は0になることはないと皮肉を交えて答えた。しかし、委員会は「仮想通貨の正当化と、その重要性を退けようとしている」として反論。「熱狂の権化(シラー教授の発言)、詐欺、マネーロンダリングの便利な道具と見るのは間違っている」と批判している。

 

 

仮想通貨はイノベーションかバブルか

シラー教授と欧州委員会の批判は、そのままメディアでよく取り上げられる一般的な仮想通貨のトピックだ。つまり「仮想通貨はただのバブルで死にゆくのか」あるいは「私たちの生活にイノベーションを起こす技術か」といった議論である。その答えを知る者は、まだいないだろう。