2019年5月14日、国税庁は財政金融委員会において仮想通貨の税制上の基準は雑所得に分類されている見解を変更しないと述べた。日銀の黒田総裁も仮想通貨は投機的な面で売買されているものの、決済手段として使用されていないという実情を指摘していた。しかし、この事実に対して、藤巻氏は国税庁に「従来の法律上の定義に固執している」と指摘している。

 

国税庁の定義としては、すでに仮想通貨は支払い手段の1つとして認めている。しかし、黒田総裁の発言は仮想通貨は投機目的で売買されるものだということを認めたこと等々着であり、仮想通貨の税制上の扱いをこれまでと同様とすることに異議を唱えた。

 

しかし、支払い手段として定義されているにも関わらず、税制上の取り扱いに変更はなく国税庁の担当者の説明は非常に納得のできるものではなかった。仮に、円と等価となるステーブルコインが発行され、それを購入した人々や決済手段として浸透したとしても税制上の扱いが変わらないのであれば、今の主張がすべて覆ることになる。加えて言えば、投機的な面として認めているのであれば、株式やFX などと仮想通貨は同等に扱われるべきものだ。実際には、投機目的だったとしても金額によっては半分以上の資金を税金によって失うことになる。

 

また、アメリカや欧州諸国等を比較しても日本の仮想通貨の税制は優れているとはいえない。国際的な呼び名をそろえたとしても、法律上の扱いが異なるとすれば、仮想通貨取り扱う国々に対して先進国とは言えない状況になるだろう。日本の仮想通貨ユーザーは多いものの、仮想通貨に対する取り組みは後進国と言ってもいいほど進んでいないのが現状だ。ユーザーの保護や資産の保護が優先されるべきものだとしても、日本の仮想通貨市場が盛り上がる材料は乏しいと言えるのが現状だ。

 

そのため、日本の仮想通貨市場の税制はしばらく変化することはないだろう。仮想通貨の税制が変化するとすれば、仮想通貨のシステムを使用者サービスが日本中に浸透したタイミングとなる可能性が高い。現状の対応からするとそれも難しい可能性があるものの、注意深く市場を見守って行こう。