JPモルガンは、仮想通貨に対して懐疑的な視点を貫き続けてきた。リップルとの提携などで話題になったことはあるものの、根幹には、「銀行の業務は銀行で完結すべき」だという思いが見え隠れしていた。

 

そして、今回、決済プロジェクトであるINN(銀行間情報ネットワーク)が本格的な指導を開始し、JPモルガンのQuorumを利用した決済が近い将来に開始されることが発表された。

 

JPモルガンのQuorumについて

Quorumはイーサリアムネットワーク上に構成されているプラットフォームであり、銀行間の決済や送金を支援する。また、日本ではみずほ、みつい、りそなの3行が既に参画を表明している。

 

QuorumJPモルガンのブロックチェーンプラットフォームであり、リップルやステラなどと競合することは明白だ。また、大企業による提携という意味ではリップルは、世界中の金融機関・仮想通貨取引所、ステラはIBMと提携していることから安心感がある。3社のサービスは仮想通貨ユーザーだけでなく、一般の金融機関にとっても選択の幅があるサービスと言えるだろう。

 

もっとも、JPモルガンのQuorumの能力はイーサリアムに依存しており、どの程度まで送金などのコストダウンを図れるかは不明だ。加えて、イーサリアムに仮想通貨としてのデータ処理能力を依存していることから、スケーラビリティ問題に焦点を当てた場合、リップルやステラを超えた決済能力を有する可能性は低い。

 

それでもJPモルガンのQuorumを使用してINNの動きを活性化させたのは、銀行業務に対する優位性を金融機関ではない業者が持っていることに疑問を抱いたためだろう。つまり、JPモルガンとしてはブロックチェーンの利用は歓迎するとしても、仮想通貨のシステムの利用はできる限り避けたうえで独自のシステムでの流通を加速させたいということだ。

 

 

また、リップル・ステラ・JPモルガンが同様のサービスを開始した場合、サービスとして優位性を持つものが将来的に残ることになる。つまり、ブロックチェーン技術も先に多くのユーザーに使用される体制を築いたものが市場を牽引する存在になるだろう。