2018年8月10日、ベネズエラにて仮想通貨専用の中央銀行と裁判所の設立計画があると発表された。ベネズエラは、財政的に言えばすでに破綻していると言っても過言ではなく、現状の政府のままでは仮想通貨を発行しても国内の経済を立て直すことは不可能に近い。また、ベネズエラでは法定仮想通貨であるペトロの発行などの国際的にも新しい取り組みが行われているが、発行した後の経済効果は不透明なままだ。

 

 

・ベネズエラと仮想通貨について

ベネズエラでは、法定仮想通貨であるペトロはよくも悪くも大きな注目を浴びた。ペトロが担保としているのは、同国の石油資源である。しかし、どう考えてもベネズエラがペトロの価値を保証できるほどの経済的な体力はない。

 

また、新しく発行される仮想通貨であるソブリン・ボリバルはペトロのレートとペッグする通貨であることから、根本的な経済の活性化には繋がらないとみていいだろう。仮想通貨の取引高が高い国のほとんどでは、ペテロの発行時点ですら、ユーザーや投資家の購買意欲を刺激することはできなかった。中には発行の時点でリスクが高すぎると警鐘を鳴らすユーザーも少なくなかった。

 

今回の発表では、仮想通貨専用の銀行と裁判所の設立を行うとのことだがどのようなブロックチェーンや分散型台帳を使用するのか不明だ。加えて言えば、仮想通貨専用の銀行や裁判所は、世界でも新しい取り組みだが、ベネズエラの司法や金融機関のあり方が世界に影響を与える可能性は低い。

 

・法定仮想通貨と国家

法定仮想通貨は、通常の法定通貨と同じく国が発行し、その価値を保証するものだ。つまり、世界の中でも安定した経済や立ち位置を誇る国でなければ、法定仮想通貨を発行しても経済的な支援や利益には繋がらない。何よりも経済制裁を受けているような国の法定仮想通貨であれば、多くのユーザーや投資家から購入されること自体が難しくなる。

 

もっとも、今後世界中で中央銀行や政府による独自の仮想通貨の発行は、増加してく可能性がある。しかし、法定仮想通貨を発行することにはメリットだけでなく、デメリットもあることを忘れてはならない。