仮想通貨の取引リスクについては、ブロックチェーン技術が世界規模で採用・開発が進んでいる中でも改善はしていない。もちろん、各国が独自に規制や法案を可決させ、投資などに関する仮想通貨の法的立ち位置は定まってきたと言える。

 

しかし、犯罪対策に関する国際的な基準はなく、世界で共通の仮想通貨取引リスクを各国で対処しなければならない現状がある。そして、そのような状況の中で金融活動作業部会(FATF)は来年6月までに仮想通貨の犯罪利用に対する方針を打ち出すことを決定した。

 

・金融活動作業部会(FATF)の方針発表について

FATFが発表したのは、犯罪やマネーロンダリング対策として規制当局へのライセンス発行と、ICO実施者・ウォレット発行者・仮想通貨交換事業者を対象とした監視の強化である。

 

つまり、FATFの方針に従い、各対象者は内部の取引状況を強く監視する必要性があり、従わなかった場合には、ネットワークから遮断するという強制措置が取られるというものだ。

 

犯罪やマネーロンダリングに仮想通貨が使用されることは、仮想通貨市場にとってマイナスでしかない。ブロックチェーンが世界的に開発・採用されている現状から、マイナス要素となるものを徹底して排除したいという思惑もあるだろう。

 

実際、マネーロンダリングなどに関しては法定通貨の方が使用されているものの、世界的な広がりを見せる新しい技術が犯罪で有名になることはFATFだけでなく、政府としても好ましくないだろう。

 

もっとも、仮想通貨の犯罪利用はビットコインから匿名性の強いモネロやDASHなどに移行すると見られており、犯罪に関するトランザクションの数が減少しても扱われている金額は変わっていない。つまり、仮想通貨を犯罪に利用しているのは個人ではなく、組織的なものが大きいと言える。

 

そして、FATFが発表した規制においては、取引所などでの大々的な取引は全て監視対象になる可能性が非常に高い。監視を行うことが出来なければ、罰則を適用することが不可能となるからだ。今後、仮想通貨の大々的な取引は、新しい監視ツールの導入などが考えられると見ていいだろう。