仮想通貨の役割については、ブロックチェーン技術が大手企業や中央銀行などで使用されつつあるものの、通貨としての役割を果たすのが難しいという一面がある。

 

一部のステーブルコインのように、法定通貨とペッグしている仮想通貨があったとしても、決済の手段として使用できるまでにはまだ時間を要するのは事実だ。その上で、2019年5月9日、日銀の黒田総裁は仮想通貨に対して、支払い決済には使用されておらず投機の対象であるという趣旨の発言を行っている。

 

実際に、仮想通貨は流動性を持つものも多く、その価値を保証することはできない。加えて言えば、ハッキングなどのマイナスなニュースが立て続けに起これば仮想通貨の価値は著しく低下することになるだろう。しかし、仮想通貨の機能性に関して言えば、既存のシステムのデメリットを解消することができるメリットを有している。

 

中央銀行のすべてが仮想通貨に対して否定的なわけではないものの、仮想通貨にはリスクがあることをほぼすべてを金融機関が把握している。加えて言えば、有用な仮想通貨を開発できた場合、法定通貨よりも万能の決済手段となり得る可能性が高い。

 

仮想通貨に対する各国の温度差は非常に激しい。仮想通貨が有用な決済手段として見ている国は日本も含め多くはない。そのうえで、ブロックチェーンの有用性を認めて独自のシステムとして運用している国も増加しつつあるのが現状だ。つまり、国や企業が連携しなければ仮想通貨は支払い手段として浸透しにくいと言えるだろう。

 

もっとも、各国の法定通貨と互換性のある取引サービスも作られており、金融機関を通さない取引が可能である点は既存のシステムでは真似できない。そのため、仮想通貨関連サービスのなかでも送金に関する分野に対しては人々の関心は高い。流動性のある仮想通貨については、サービスの位置付けが大きく変化しない限り、ニーズは変化しない。そのため、仮想通貨がどのように使用されていくのか見極めていく必要があるだろう。