仮想通貨は、個人や企業だけでなく、国が主体となって発行しているものもある。例えば、ベネズエラのペトロなどは、ベネズエラ政府が石油の価格とペッグする通貨として発表・発行しており、今後も様々な国が発行する仮想通貨は増加していく傾向にあると言えるだろう。

 

そのうえで、今回、米金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)はイランの経済回避の新たな方法としての仮想通貨利用を監視するよう仮想通貨取引所に求めた。

 

・FinCEN の主張について

イランでは、アメリカによる経済制裁が実施されており、非常に厳しい状況が続いている。その上でイランは、経済制裁の回避方法として、仮想通貨の利用を計画している状況だ。

 

実際に、イランでは仮想通貨の取引が行われており、中央銀行が分散型仮想通貨取り扱いを禁止していてもネットワーク上では容易にアクセス可能だ。つまり、表面的には禁止を謳っていてもイラン中央銀行は国内の事情を把握している為、大々的な取り締まりは行っていないということだ。

 

そのため、仮想通貨の取引は新しい経済制裁に対する回避方法になり、イランの資金が仮想通貨となり、今後更に海外への資金流出を積極的に促す可能性がある。資金流出というワードは、経済的に損失と捉えられるものの、仮想通貨に変換した時点で仮想通貨取引所などではイランの経済からは離れたと見られる。

 

仮に、イランの人々が自国の法定通貨を仮想通貨に変えることを取りしまるのであれば、取引所や政府機関が全ての取引を監視し、個人を特定できるほど調査を行う必要性がある。つまり、現状では仮想通貨に関する全ての取引を監視し、個人を特定するのは難しい状況であることは事実だ。

 

また、イランは自国の状況に対して楽観的な姿勢で見ているわけではない。経済制裁の回避手段として自国の法定仮想通貨の開発を急いでいる面もある。仮想通貨への変換に対して関係機関から調査が入る事態となれば、仮想通貨市場は失速する可能性が非常に高い。

 

イランは今後、更に仮想通貨の利用を政府として進めていくとみて間違いない。その為、関係当局がイランの仮想通貨市場に対してどのような対応を行うのか、チェックしていこう。