水産業におけるトレーサビリティは、かねてより問題になることが多かった。店頭や市場に流れるまでのルートが消費者には把握しにくく、産地を偽ることも難しくはないためだ。

 

そして、今回、スタートアップであるフィッシュコインは、水産物の物流を分散型台帳で管理することを決定した。その為、フィッシュコインのシステムの利用により、サプライチェーン、製品の加工、販売など一連の流れの把握が容易となる。

 

・フィッシュコインについて

フィッシュコインは、魚の収穫、漁業者、小売り、配送者など企業のあらゆる流れをブロックチェーンで管理する。その為、商品に関する品質の確保や信頼性を保証することが可能だ。

 

また、漁獲量に対する収益が企業者に正当に分配されているのかは不透明であり、現在の廃棄量の多さからすれば、サプライチェーンの管理は必須と言えるだろう。しかし、漁獲量などは必要十分な量だけを確保するという産業の体質ではないことから、根本的な解決は別のベクトルから見つめなおす必要がある。

 

フィッシュコインの機能として、サプライチェーンの管理だけでなくインセンティブの役割も果たす。つまり、フィッシュコインの使用によって水産物生産者なども正当な報酬を獲得できることになる。

 

・漁業とブロックチェーン

企業とブロックチェーンを結びつけるプロジェクトは多くない。しかし、食品関連でいえば、強制労働のほとんどは食品に基づいたものであり、世界に流通する製品の原材料が強制労働から生まれたものである可能性は決して低くない。

 

また、魚についても原産地を偽るという行為は、法律として厳罰があるとしても生産者の裁量に任せられている部分が非常に大きい。その為、食品のサプライチェーンの管理は、正しいルートで収穫され、加工されたものだという証明が必要とされているのだ。今後、フィッシュコインのように食品に関連するブロックチェーンシステムは増加していくと見ていいだろう。