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2019年6月4日に永田町にある参議院会館で国際未来科学研究所、代表である浜田和幸

氏が主催する国際情勢セミナー「米中覇権争いとアジア、日本への影響」が開催された。

 スクリーンショット 2019-06-06 13.58.46.png国際未来科学研究所、代表である浜田和幸氏



最初の挨拶で浜田氏は会場内が満員御礼であることに対し感謝を述べ、今回のイベントの主題で日本の重要なパートナーでもあるアメリカそして、来るものを拒まない中国との長期的で友好的な関係を築くべきである。また、現在起こっている米中間の経済摩擦はこのまま続けば、いずれ過去に起こった冷戦に近いものになるだろうとも述べ、その上で中米における“生の声を届けたい”ためであり、このセミナーではアメリカと中国の生の声を聞き入れてもらい、考えを聞き入れてもらいたいと語った。

 

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スクリーンショット 2019-06-06 13.59.16.pngアメリカの“生の声”を届けるのはグレン・フクシマ氏


グレン・フクシマ氏はUSDRの代表と同僚であり共に日中間における通商交渉を担当した経験を持っており、現在はワシントンDCのシンクタンクで活動している。

 

 

グレン・フクシマ氏によれば米中間は突然にして摩擦ができたわけではなく、10年前から変化が生じていた。当時のオバマ政権は米中間に関して楽観的であった。理由としては2001年にはWTO世界貿易機関に加入し中国と海外の間に貿易や投資が行われ始めた、また中国からアメリカへ留学する学生も多くその数は1年間で約35万人以上にも達している。このようなお金や人、物などの交流によって閉鎖的だった中国が開放的になるのではないかと当時アメリカの学者や企業の人々は考えていた。しかし、その後10年間における中国国内の政権の変化はアメリカの視点から見れば弾圧や言論の自由の規制などに注目が集まり民主化から離れつつあるように捉えている。

 

また、中国では現在国内政策によって規制が多くある一方で海外に進出した中国企業は国内政治的に関与していることが多い。フーバー研究所の中国研究者20名によって報告書が発布された。内容としては、海外に進出した中国が経済と政治への関与が深い部分まで浸透しており、懸念すべきことである結論を出している。すでにニュージーランド、オーストラリアなどでは国内政治的に関与しており、これによってアメリカでは中国に対する懸念が高まっている。

 

米中間の摩擦は大きく分けて3つの問題がある。

 

 

1関税や輸入など貿易の問題

この問題はすでに通称交渉が行われており既に関税の引き下げや輸入などに関して数ヶ月間に渡って交渉が続いている。

G20で問題解決するかわからないが、この数ヶ月以内に決着がつくと思われている。

 

2知的所有権問題、国営企業への助成金や企業による産業問題などの問題

この問題に関してはすぐに解決できる問題ではなく、長期的に変化加えていく必要があり、特に知的所有権の問題は深刻でおそらくG20で議題に上がり、改善策が出てくる可能性があるが、長期的に変化を加えながら解決しなければならないだろう。

 

3安全圏や覇権争いなどの政治的な問題

中国は150年前にアジアの中心的な地位にあったが、その後欧米による植民地化で弱体化し、中心的地位を失ってしまった。そして現在経済的に急速な発展を遂げている中国では今一度アジアとして中心的地位の復権を目標にしている。しかしこれは諸外国との摩擦を生じているとアメリカは見ている。

 

これら3つの問題が、現在の米中間の摩擦を生んでいるが、トランプ政権はこの問題に対して2国間における解決を考えており、特に関税措置を好んで利用している。この措置はトランプ大統領が元々ビジネスマンであり一方的交渉によって決着をつけることを得意としているからであり、これは以前決裂したメキシコ問題に対しても交渉をやり直し、短期的に決着をつけているからである。そのため米中間の交易摩擦がG20を含め数ヶ月以内に問題解決よりも、何らかの形で決着がつけられるだろうと語っている。

 

 

 

スクリーンショット 2019-06-06 13.59.40.png中国の生の声を届けるのは柯隆(か・りゅう)氏 


南京出身で、日本に関心があり研究している。また、日本企業で現在東京財団にて活動しているおり、アジア圏の幅広い地域で様々な議論を交わしている。

 

 

以前11回もの通商交渉によって内容がまとまったが、5月に中国政権で拒否されてしまった。この急な変更は一体何が起こったのか?中国政府内では慎重な見解と反対意見があり

 

現在米中2国家による貿易摩擦はアメリカが中国に対して関税の引き上げとファーウェイに対しての規制であり特に関税に関しては中国政府も強く反発している。

 

 

歴史を振り返れば、欧米による植民地化による領土戦争であり、20世紀は資源戦争、そして、次に来るのはデータ情報の戦争になると語った上で、中国国内の産業を発展させるためにIT業界に力を入れている。これは鉄鋼や自動車産業といった工業的な発展には膨大な時間と労力は必要なため不利であるとしているが、IT業界に関しては、急速な発展が可能であり、先進国と均等なスタートラインに立つことができると考えている。しかし、問題点として中国は十分な技術の蓄積がないため基礎的な技術が欠けた状態であり、その上で中国の夢であるアジアの代表となるべく挑戦的な行動に出たためトランプ政権が中国に対して警戒を抱いている。

 

好景気な中国においても内部では不穏な空気が漂っている。

本来であれば、経済的に失業者が増えると物価のインフレは起こらないとされているが、現在中国では失業者とインフレが同時に上がっていると言われている。しかし、中国ではっきりとした統計を出すことが出来ない。また、統計の調査に関しても一部労働者に対して調査対象とはならず除外されている部分がある。

例を挙げると、農民の出稼ぎは統計に含まれない。労働安全に加盟してない場合、統計には対象とはならない、などである。そのため、正確な統計は取れないが、大まかには3000万人以上もの労働者が失業状態であると言われている。中国政府が提出した資料では失業率は5%となっているが、実際には10%を超えていると見られていると語った。

 

中国政府としては、この貿易摩擦による紛争が長期的になれば、将来的に取り返しがつかない状態になるのを懸念して、早期に貿易摩擦を終わらせたい意向があるが、問題解決への着地点が見えない状態であり、トランプ政権も最終的な目的を見せていないため、出口が見えない状態だ。

 

結果として

アメリカと中国の間で繰り広げられている貿易摩擦はもはや権利と国としての威厳は入り混じった紛争状態となっており、長期的にこの紛争が続けば諸外国を巻き込んだ交易戦争となってしまう、しかし両国においては継続して通商交渉が続けられており、G20を通して一定の問題への決着が見えてくるだろう。