CDBCは、中央銀行が発行するデジタル通貨だ。既に、ドルや円などを対象にペッグしているステーブルコインなどの仮想通貨はあるものの、政府として運営しているわけではない。ステーブルコインは、ほとんどが企業体によって運営されていることから、企業に対する不信が高まれば、たとえ法定通貨とペッグしていても価値のかい離が起こる可能性がある。

 

CDBCの運営者は政府であり、価値の保証も政府が行う。つまり、CDBCは発行した段階でデジタル版の法定通貨として扱われることが前提だと言える。そのうえで、今回、カナダ、シンガポール、イングランドの中央銀行がCDBCを推奨する発表した。

 

CDBCを推奨する理由

CDBCは、デジタル版の法定通貨である。つまり、法定通貨と同じ価値を有したうえで仮想通貨と同じ特性を得ることができる。取引の透明性、取引内容の証明、サプライチェーンなどデジタル通貨としてのメリットは少なくない。

 

また、国際送金などに至っては、現状のシステムではコストやスピードが不十分だと言える。リップルなどの国際送金プラットフォームやあらゆる企業が独自のプラットフォームで国際送金システムの新しい形を築こうとしているのは、現状のシステムによるデメリットを痛感しているからだ。

 

加えて言えば、カナダ・イングランド・シンガポールでCDBCが発行されるという流れとなれば、仮想通貨市場としても世界中に同様の動きが出ることが予想され、世界的なコスト改善や送金処理の改善に繋がる可能性が高い。

 

もっとも、ブロックチェーンを利用する場合、ブロックチェーン毎に使用が異なり、種類の違うブロックチェーンのデータを共有・処理できる技術は研究されつつも確立していない。また、既存の仮想通貨ではCDBCの代わりとするには、機能が足りないとの指摘もあるため、技術開発も課題の1つ言える。

 

世界共通のCDBCが登場した場合、どの国がその価値を保障するのかは大きな課題となるだろう。しかし、CDBCで改善できるメリットは、現状のデメリットを打ち消すだけでなく、世界に対してメリットを提供する。今後のCDBCの動向は要注目だ。