ベネズエラが発行しているCDBCであるペトロは、国が発行した仮想通貨として非常に話題となった。しかし、注目された理由は、国が発行する世界初の仮想通貨であるということのみであり、信用性や実態に関してはユーザーや投資家だけでなく、専門家からも懐疑的な目線で見られてきた。

 

そのうえで、ベネズエラは、ペトロをベネズエラの正式な通貨として扱い、ペトロによって商品などを購入できることを承認する法案が可決された。つまり、ペトロがアメリカからの経済制裁の対抗策となり得ると見ていいだろう。

 

・ペトロと仮想通貨市場

結論から言えば、ベネズエラの法案がどのように可決したとしても仮想通貨市場では、ペトロを使用したプロジェクトは実施できないほど信頼性が低い。石油の価値にペッグするステーブルコインだとしても、ペトロの代わりとなり得る通貨は多数存在することに加え、欧米諸国の人々がペトロを購入する意味はあまりない。

 

投機的に見ても流動性もなく、実際に担保となる石油の貯蔵も怪しいのが実情だろう。もっともマドゥーロ大統領は、ペトロを国の通貨として認め、国際取引に対しても使用していく構えだ。

 

ベネズエラでは、ボリバル・ソベラノと呼ばれるペトロとペッグした法定通貨も流通を開始しているものの、経済の回復にはつながっていない。そのうえで、ペトロを国際的な取引に使用していく場合、同国の信頼性は国際的にも非常に厳しい状態になると見られる。

 

もちろん、仮想通貨の可能性として広く多くの人々に対して流通する可能性はあるものの、ベネズエラは企業でいえば、ほぼ破たんしている状況に近い。つまり、仮想通貨に限らず、同国におけるサービスや体制を加味したうえで、透明性もなければ、信用性もないということになる。

 

マドゥーロ大統領は、2018年に入り、ペトロに関するPRを積極的に行っている。しかし、仮想通貨としてのペトロで経済制裁を回避し、経済を回復させるという目論見は難しいと言えるだろう。